靴下編みに使える糸の特徴や種類【ソックヤーン以外】

靴下編みに使える糸の特徴や種類【ソックヤーン以外】
田倉

こんにちは。田倉です

糸には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。

どの糸なら普段使いできる靴下を編めるのか。

この記事では、靴下編みの視点から代表的な糸の種類と特徴について書いてみました。

 ※全て靴下編みを目的とした意見です。

 ※ソックヤーンと呼ばれる靴下編みを目的として作られた糸は例外とします。

このような人におすすめ

    1. 工業糸を自分で引き揃えて靴下を編んでみたい
    2. ソックヤーンは高いので安価な毛糸で靴下を編みたい
    3. 手持ちの毛糸で靴下を編みたい
    4. 糸の特徴を知りたい
目次

靴下編み適性 早見表

一覧にまとめました。

個人的に靴下編みに適していると思う順番に並んでいます。

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
ナイロン化学繊維
(合成繊維)
××
丈夫・軽量・伸縮性もあるため、ナイロンさえ引き揃えればだいたいの糸で実用的な靴下を編むことができます。吸湿性が弱点なので天然繊維などと合わせると真価を発揮できます。靴下編みにおける影の主役。
ウール
(羊毛)
天然素材
(動物繊維)
×
吸湿性と放湿性に優れているため、蒸れにくく暖かい靴下が編めます。
天然の抗菌抗臭効果もあり、熱伝導率が低いため足に暑さや寒さが伝わりにくいです。
不安な耐久面もナイロンを引き揃えることで解決でき、夏冬関係なくオールシーズン使える実用的な靴下を編めます。
コットン
(綿)
天然素材
(植物繊維)
×
吸湿性に優れる一方で放湿性に劣るため、足元が蒸れやすくなります。しかし、保温力と通気性を兼ね備えており、肌に優しく洗濯を繰り返しても布地が痛みにくいため普段使いの靴下に向いています。
リネン
(麻)
天然素材
(植物繊維)
×
適度な保温性に優れた通気性、吸水性、速乾性があります。水にも強くガンガン洗濯を回せる耐久性も備わっているため夏用の靴下に適していると思います。個人的には使い込むほど素材が柔らかく風合いが増すところに浪漫を感じます。
カシミヤ天然素材
(動物繊維)
×
普段使いの靴下として使用する上で摩擦や湿気は避けられません。
ダメージによりカシミヤの肌触りや艶というメリットが損なわれやすくなります。
しかし、機能性はトップクラスでありダメージさえ避ければいいので、秋冬用のちょっと贅沢な室内用靴下を編むのが最適解だと思いました。
アクリル化学繊維
(合成繊維)
×
保温性と軽さと価格面に優れておりウールの代用として使えますが、汗を吸収しないため蒸れやすく、靴下編みにおいては可もなく不可もなくといった素材です。
モヘア天然素材
(動物繊維)
××
保温性や吸湿性、通気性などはウールを上回っています。
しかし、水洗いによりチクチク感やゴワゴワ感が増したりとデリケートな繊維であることを考えると、他の素材をメインに引き揃えて靴下の性能アップを図るのが良いと思います。
アンゴラ天然素材
(動物繊維)
××
ウール以上の保温性と軽さがあり、調湿性も備えていますが、伸縮性に乏しく素材がデリケートすぎるので普段使いの靴下には向かなそうです。
少量を引き揃えて冷えとりなどのナイトソックスにすると、暖かく軽いアンゴラのメリットが生きると思います。
シルク
(絹)
天然素材
(動物繊維)
××
摩擦や水に弱い面はありますが、肌を保湿し健やかに保ってくれるという美容面に優れた繊維なので、少量引き揃えたり、乾燥が気になる部位だけシルクに糸替えをするなどの工夫で重宝する靴下が編めそうです。
こちらもカシミヤ同様にダメージさえ避ければよいので、重ね履き用のインナーソックスや夏場の冷えとり靴下として使用するのも良いと思います。
ポリエステル化学繊維
(合成繊維)
××
ナイロンと特徴が似ているため代用がききますが、伸縮性はなく、丈夫さはナイロンに劣ります。
UVカット機能と速乾性が優秀ですが、汚れが落ちにくく吸湿性が劣るため個人的には靴下編みにおける評価は低めです。
レーヨン化学繊維
(再生繊維)
××
肌触りは良いですが、水と摩擦に弱いため、靴下に課される過酷な環境には耐えられません。少量引き揃えて編むのがよいと思います。
ポリウレタン化学繊維
(合成繊維)
×××
伸縮性と弾力性はありますが、摩擦に弱く、経年劣化する特性があるため靴下向けではありません。


糸の特徴

ナイロン

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
ナイロン化学繊維
(合成繊維)
××
丈夫・軽量・伸縮性もあるため、ナイロンさえ引き揃えればだいたいの糸で実用的な靴下を編むことができます。吸湿性が弱点なので天然繊維などと合わせると真価を発揮できます。
靴下編みにおける影の主役。

女性用のストッキングとして商品化されたのが始まりであるナイロン。

折りたたみなど繰り返しの変形、油、海水、薬品、カビ、害虫にも強い。とにかく強い。

耐久性に自信ありな繊維です。

繊維自体にも弾力性と伸縮性があるため、靴下編みにもピッタリです。

ただし、非常に熱に弱いので、ナイロン混靴下の乾燥機の使用は避けることが推奨されます。※1

アイロンがけに関しても基本的にはあて布と低温設定が求められています。

  1. 私は普通に乾燥機を使用しています。
    ナイロン混30%まで乾燥機にかけたことがありますが、今のところ目立ったトラブルはないです。
良い特徴悪い特徴
・耐久性がある
・伸縮性と弾力性もある
・縮みや型崩れが起きにくい
・シワになりにくい
・カビや害虫に強い
・油、海水、薬品にも強い
・手入れが簡単
・吸湿性が少ない
・熱に弱い
・静電気が起きやすい
・日光などにより黄変する


ウール(羊毛)

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
ウール
(羊毛)
天然素材
(動物繊維)
×
吸湿性と放湿性に優れているため、蒸れにくく暖かい靴下が編めます。
天然の抗菌抗臭効果もあり、熱伝導率が低いため足に暑さや寒さが伝わりにくいです。
不安な耐久面もナイロンを引き揃えることで解決でき、夏冬関係なくオールシーズン使える実用的な靴下を編めます。

ウールは羊からとれる毛であり「呼吸する繊維」とも呼ばれ、自ら外気の湿度に応じて湿気を吸収・放出して快適な環境をたもってくれます。

その吸放湿性はコットンの2倍以上とされており、蒸れにくくサラリと肌触りのよい靴下が編めます。

抗菌・抗臭効果も高いところも靴下にピッタリです。

熱伝導率が低いため暑さ寒さも足に伝わりにくく、夏は涼しく冬は暖かく履くことができます。

ウールといえば保温性が高いため冬に活躍しがちですが、放汗性や熱伝導率の低さから、実は夏も快適に付き合える繊維なんですね。

そんなウールのデメリットは、摩擦や水洗いによるダメージに弱く縮みやすい※1ことです。

乱雑に扱うと毛玉ができたり羽毛立ちしたり生地がフェルト状になったりしますし、虫食い被害も受けやすいため害虫対策も必要です。

文字にしてみたらデメリットが大きい気がしますが、管理はそう難しくありません。

受けられる恩恵のほうが遥かに大きいはずです。

  1. 縮みに関しては、事前にスワッチを編んでどの程度縮むかを確認するのが無難かと思います
良い特徴悪い特徴
・調湿性がある
・通気性がよい
・保温性が高い
・伸縮性と弾力性もある
・シワになりにくい
・熱伝導率が低い
・熱に強い
・汚れがつきにくい
・抗菌・抗臭効果も高い
・摩擦に弱い
・手入れが難しい
・縮みやすい
・静電気が起きやすい
・毛玉ができやすい


コットン(綿)

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
コットン
(綿)
天然素材
(植物繊維)
×
吸湿性に優れる一方で放湿性に劣るため、足元が蒸れやすくなります。しかし、保温力と通気性を兼ね備えており、肌に優しく洗濯を繰り返しても布地が痛みにくいため普段使いの靴下に向いています。

コットンは肌触りがよく、涼しい着用感から夏用ソックヤーンに使用されることが多い素材です。

空洞構造により吸水性と通気性に優れており、汗もしっかりと吸収してくれるのでインナーなど肌に触れる衣服に適しています。

また空洞により熱伝導率が低く、夏も冬も外気温が素足に伝わりにくいメリットがあります。

繊維端が尖っていないため肌に触れてもチクチクせずふんわりと柔らかい肌触りで、赤ちゃんや敏感肌・アトピー性皮膚炎の方にも優しい素材です。

紫外線カット率も68%あり、シルクよりは僅かに劣りますが、色の濃く目の詰まったコットンは紫外線カットにおいて高い効果を誇ります。

そんなコットンですが、吸水性に優れる反面乾きにくいという特徴があり、長時間の着用により湿気がこもって蒸れやすいデメリットがあります。

また、水には強いのですが、洗濯をするとシワや縮みが発生しやすいです。水分を吸って膨張した繊維が乾燥により元の状態に戻ろうとするため繊維が縮んでしまうという仕組みです。

ですが、よく伸ばしてから乾かすことにより大きく縮むことはありません。

コットンは耐熱性もあるためシワをアイロンで伸ばすことができます。

良い特徴悪い特徴
・耐久性がある
・吸湿性がよい
・通気性がよい
・熱に強い
・肌への刺激が少ない
・UVカット機能がある
・染色性がよい
・静電気が起きにくい
・乾きづらい
・シワになりやすい
・縮みやすい
・日光などにより変色する


リネン(麻)

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
リネン
(麻)
天然素材
(植物繊維)
×
適度な保温性に優れた通気性、吸水性、速乾性があります。水にも強くガンガン洗濯を回せる耐久性も備わっているため夏用の靴下に適していると思います。個人的には使い込むほど素材が柔らかく風合いが増すところに浪漫を感じます。

リネンは大切にすれば100年使える※1とも言われており、天然繊維の中でも抜群の耐久性を誇ります。

水に濡れるとさらに頑丈になるため、繰り返しの洗濯にも強く、使いこむほどに柔らかさや風合いが増していきます。

また、繊維に含まれるペクチンが汚れをはじき汗や皮脂の臭いをカットし、天然の抗菌作用により雑菌の繁殖を防いでくれるため素材と肌を清潔に保ってくれます。

繊維に空洞があるので保温性と通気性、調湿性があります。

とりわけ吸湿性と速乾性に優れており、汗ばむ夏場でも爽やかで快適に扱える繊維です。

ちなみにリネンの吸湿性はコットンの約4倍、シルクの約10倍と言われています。

このようにとても魅力が多いリネンですが、もちろんデメリットもあります。

植物繊維のためシワになりやすいことと、30度以上の高温で縮んでしまうことです。

また、紫外線が弱点のため直射日光に当てると一気に変色してしまいます。

  1. ヨーロッパの嫁入り道具として夫婦のイニシャルをいれたリネンを贈る風習がある。
    100年以上愛されたアンティークリネンもあり世代を超えて受け継がれている。
良い特徴悪い特徴
・耐久性がある
・吸湿性がよい
・通気性がよい
・速乾性がある
・汚れがつきにくい
・手入れが簡単
・抗菌・抗臭効果も高い
・使い込むと柔らかくなる
・シワになりやすい
・熱に弱い
・縮みやすい
・日光などにより変色する


カシミヤ

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
カシミヤ天然素材
(動物繊維)
×
普段使いの靴下として使用する上で摩擦や湿気は避けられません。
ダメージによりカシミヤの肌触りや艶というメリットが損なわれやすくなります。
しかし、機能性はトップクラスでありダメージさえ避ければいいので、秋冬用のちょっと贅沢な室内用靴下を編むのが最適解だと思いました。

カシミヤは、カシミヤ山羊からとれる高級繊維です。

軽さと美しい光沢があり、柔らかくてぬめり感のある滑らかな手触りが特徴です。

保温性や調湿性にも優れ、動物繊維の中でもトップクラスの性能を誇りますが、それだけに扱いも難しいです。

虫害がおきやすいデメリットは他の動物繊維同様ですが、カシミヤは空気中の塵や埃、湿気などで型崩れや毛玉が発生し、さらに水濡れによりシミができやすくカシミヤ特有の艶が鈍ってしまいます。

このようにデリケートではありますが、適切な手入れさえ行えば10年も着用できる素晴らしい繊維です。

良い特徴悪い特徴
・光沢があり美しい
・滑らかな肌触り
・調湿性がある
・通気性がよい
・保温性が高い
・伸縮性と弾力性もある
・熱伝導率が低い
・抗菌・抗臭効果も高い
・摩擦に弱い
・水に弱い
・手入れが難しい
・縮みやすい
・静電気が起きやすい
・毛玉ができやすい


アクリル

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
アクリル化学繊維
(合成繊維)
×
保温性と軽さと価格面に優れておりウールの代用として使えますが、汗を吸収しないため蒸れやすく、靴下編みにおいては可もなく不可もなくといった素材です。

アクリルは羊毛であるウールに似せて作られた合成繊維です。

ふんわりとした柔らかさと高い保温性が特徴です。

弾力性があるためシワになりにくく、ボリュームのある見た目に反してとても軽い繊維です。

ウールより安価でカビや虫食いにも強いですが、吸水性に乏しく汗を吸収しないため靴下編みに使用するならば、保温性、通気性、抗菌性を兼ね備えたウールに軍配が上がります。

良い特徴悪い特徴
・保温性が高い
・弾力性がある
・縮みや型崩れが起きにくい
・シワになりにくい
・速乾性がある
・カビや害虫に強い
・薬品に強い
・染色性がよい
・手入れが簡単
・吸湿性が低い
・摩擦に弱い
・熱に弱い
・静電気が起きやすい
・毛玉ができやすい


モヘア

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
モヘア天然素材
(動物繊維)
××
保温性や吸湿性、通気性などはウールを上回っています。
しかし、水洗いによりチクチク感やゴワゴワ感が増したりとデリケートな繊維であることを考えると、他の素材をメインに引き揃えて靴下の性能アップを図るのが良いと思います。

モヘアはアンゴラ山羊の毛からとれる動物繊維です。

繊維自体に縮れがなく表面が平滑であることから上品な光沢があります。

また、直毛のため動物素材の中では毛玉ができにくい素材です。

毛足が長く空気を多く含むことができるため、ウールより保温性と吸湿性に優れています。

ふわふわな外見から冬用に見えますが、通気性が良いため春夏のニット製品にも使われており、オールシーズン着用できる素材です。

一般的なモヘアは繊維が太く硬いため、多少のゴワゴワ感やチクチク感があります。※1

また毛足が長いため絡まりやすく抜けやすいことと、非常に静電気が起きやすいです。

水洗いにより繊維が膨張して絡まりやすくなり、繊維が絡まることにより毛質が硬くなるためドライクリーニングが推奨されています。

  1. 生後1年未満のアンゴラ山羊からとれる「キッドモヘア」や、生後3か月~6か月くらいのアンゴラ山羊からとれる「スーパーキッドモヘア」はとても柔らかく繊細な毛質のため肌触りが違う。
良い特徴悪い特徴
・光沢があり美しい
・吸湿性がよい
・通気性がよい
・保温性が高い
・縮みや型崩れが起きにくい
・シワになりにくい
・染色性がよい
・摩擦に弱い
・肌への刺激が強い
・水洗いで変質する
・手入れが難しい
・静電気が起きやすい
・毛が抜けやすい


アンゴラ

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
アンゴラ天然素材
(動物繊維)
××
ウール以上の保温性と軽さがあり、調湿性も備えていますが、伸縮性に乏しく素材がデリケートすぎるので普段使いの靴下には向かなそうです。
少量を引き揃えて冷えとりなどのナイトソックスにすると、暖かく軽いアンゴラのメリットが生きると思います。

アンゴラは、アンゴラうさぎという全身を滑らかな長い毛でおおわれた長毛種からとれる高級な獣毛です。

絹のように光沢があり、しなやかでやわらかな触り心地が特徴です。

また、毛の中にある空洞が空気や水分を抱えこむ性質のため暖かさと軽さに優れた素材であり、その保温力は一般的なウールの約3倍ともいわれています。

触り心地と保温性を兼ね備えている反面、非常にデリケートな素材のためウールやナイロンなどと混紡して製品化されることが多いです。

アンゴラの繊維は縮れがなくまっすぐなため非常に毛が抜けやすく、水分や温度で繊維が収縮したり、静電気によるダメージでも繊維が抜け落ちていきます。

摩擦にも弱く毛玉ができやすい素材です。

良い特徴悪い特徴
・光沢があり美しい
・滑らかな肌触り
・調湿性がある
・通気性がよい
・保温性が高い
・伸縮性と弾力性もある
・染色性がよい
・摩擦に弱い
・水に弱い
・手入れが難しい
・静電気が起きやすい
・毛玉ができやすい
・毛が抜けやすい


シルク(絹)

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
シルク
(絹)
天然素材
(動物繊維)
××
摩擦や水に弱い面はありますが、肌を保湿し健やかに保ってくれるという美容面に優れた繊維なので、少量引き揃えたり、乾燥が気になる部位だけシルクに糸替えをするなどの工夫で重宝する靴下が編めそうです。
こちらもカシミヤ同様にダメージさえ避ければよいので、重ね履き用のインナーソックスや夏場の冷えとり靴下として使用するのも良いと思います。

シルクは蚕の繭からとれる動物繊維で、真珠のような光沢とスルリとした滑らかな肌触りが特徴の素材です。

人肌と近い弱酸性のアミノ酸タンパク質でできており、保水量も高いため肌馴染みがよく美容面に優れています。

天然由来の静菌作用もあるためアトピーや敏感肌の人も身に着けやすい素材です。

保温性や吸放湿性も備えており、夏場でもサラリとした触れ心地を維持しやすいです。

デメリットは、摩擦に弱く傷がつきやすいことと、シミになりやすいところです。

また、紫外線を約90%吸収する特性があるため日光にさらすと黄変してしまいます。

良い特徴悪い特徴
・光沢があり美しい
・滑らかな肌触り
・吸湿性がよい
・通気性がよい
・保温性が高い
・肌への刺激が少ない
・シワになりにくい
・染色性がよい
・抗菌・抗臭効果も高い
・UVカット(吸収)機能がある
・静電気が起きにくい
・摩擦に弱い
・水に弱い
・熱に弱い
・酸やアルカリに弱い
・縮みやすい
・日光などにより黄変する


ポリエステル

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
ポリエステル化学繊維
(合成繊維)
××
ナイロンと特徴が似ているため代用がききますが、伸縮性はなく、丈夫さはナイロンに劣ります。
UVカット機能と速乾性が優秀ですが、汚れが落ちにくく吸湿性が劣るため個人的には靴下編みにおける評価は低めです。

現在、日本の合成繊維の中で最も多く生産されているポリエステル。

ナイロン、アクリルと並ぶ三大合成繊維のひとつです。

こちらもナイロン同様に丈夫で縮みや型崩れが起きにくい繊維で、摩耗に対して強くはありますが、ナイロンにはやや劣ります。

強度については、ひっぱりに強いのはナイロン、衝撃に強いのはポリエステルと言われています。

また、ナイロンよりは熱に強いですが、こちらも高温のアイロンがけや乾燥機の使用は避けたほうが良いとされています。

速乾性があるためサラサラな触り心地で、シワになりにくいです。

ポリエステル繊維は光を透過しづらい性質を持っているので紫外線もカットしてくれます。

マイナスの電気を帯びる性質を持っており、真冬の乾燥した時期などには、他の衣類と静電気を発生させることがあります。

良い特徴悪い特徴
・耐久性がある
・縮みや型崩れが起きにくい
・シワになりにくい
・熱に強い
・速乾性がある
・カビや害虫に強い
・UVカット機能がある
・耐久性はナイロンに劣る
・吸湿性が低い
・静電気が起きやすい
・汚れが落ちにくい
・毛玉ができやすい


レーヨン

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
レーヨン化学繊維
(再生繊維)
××
肌触りは良いですが、水と摩擦に弱いため、靴下に課される過酷な環境には耐えられません。少量引き揃えて編むのがよいと思います。

レーヨンは「人造絹糸」とも呼ばれ、シルクのような透明感ある光沢と滑らかな肌触りが特徴です。

通気性と吸湿性に優れており、しなやかでサラリとした着心地の良さがシルクと似ています。

しかし、水に弱いという問題を抱えており、水分を吸うと強度が半分くらいにまで低下し、シワになりやすく、おまけに縮みます。

涼しげな雰囲気で水と親和性がありそうな見た目をしていますが、最大の弱点が水なのです。

良い特徴悪い特徴
・光沢があり美しい
・滑らかな肌触り
・吸湿性がよい
・通気性がよい
・染色性がよい
・摩擦に弱い
・シワになりやすい
・水に弱い
・熱に弱い


ポリウレタン

繊維名種 別靴下編み適性伸縮性耐久性保温性吸湿性
ポリウレタン化学繊維
(合成繊維)
×××
伸縮性と弾力性はありますが、摩擦に弱く、経年劣化する特性があるため靴下向けではありません。

ポリウレタンの最大の特徴はその伸縮性と衝撃吸収性能です。

ゴムのように伸び縮みをしますがし、強度においても引っ張りや摩耗に強いとされています。

しかし、ポリウレタンは経年劣化という大きなデメリットを抱えています。

空気中の窒素、紫外線、熱、湿度、微生物といった環境要素によって徐々に分解されていき、ベタベタになって異臭を発するようになります。

形状によって差はありますが、一般的にポリウレタンの寿命は2年から3年と言われています。

良い特徴悪い特徴
・伸縮性と弾力性がある
・磨耗や衝撃に強い
・油、薬品、低温に強い
・吸湿性が低い
・熱に弱い
・経年劣化する
・日光などにより黄変する
・塩素に弱い


まとめ

以上、靴下編みに焦点をあてて調べてみた糸の特徴でした。

田倉

個人的には【カシミヤ+ウール+ナイロン混合】と【リネン100%】の手編み靴下が気になっています

せっかく靴下を手編みするなら、できるだけ快適で長持ちするものを作りたいですよね。

普段使いできる靴下を編むなら、ウールやコットンなどの吸湿性や保温性が優れた糸をメインに、伸縮性があって頑丈なナイロンを少量引き揃えるのが正解かなと思います。

とはいえ、手編みの楽しさには素材を選べる自由度の高さも含まれます。

とりあえずナイロンさえ引き揃えておけば、ある程度の強度は保証されるので、みなさまも是非お好みの糸で靴下を編んでみてください。

結論:だいたいナイロンが何とかしてくれる


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